腫瘍抑制因子p53が臓器の線維化に与える影響を調査し、線維化の治療法としての可能性を探ることを目的とした研究が公開されました。線維化は、慢性的な炎症や異常な細胞外マトリックス(ECM)の蓄積によって引き起こされ、臓器の機能障害を引き起こします。p53は、細胞の増殖、アポトーシス(計画的な細胞死)、老化、代謝の調節に重要な役割を果たします。線維化においては、p53が上皮間葉転換(EMT)、細胞死、細胞老化を促進し、線維化を悪化させます。各臓器別でみると、腎臓ではp53が腎臓の線維化を進行させることが示され、特定の細胞でのp53の発現を抑制することで線維化が軽減されることが確認されました。次に肝臓においてはp53が肝細胞のアポトーシスと老化を促進し、線維化を引き起こします。NMNは、p53を介した老化を安定化させる可能性を本研究では示唆しています。
肺においてもp53が肺の線維化を促進し、肺胞上皮細胞の異常な活性化を引き起こします。
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、NAD+の前駆体であり、p53を介した老化や線維化の進行を抑制する可能性があり、特に、肝臓の線維化に対してNMNが有効であることが本研究では示唆されています。p53を標的とした治療は、線維化の予防と治療に有望なアプローチとなる可能性がありますが、さらなる研究が必要です。
表題:Targeting tumor suppressor p53 for organ fibrosis therapy
<引用>
Bao, YN., Yang, Q., Shen, XL. et al. Targeting tumor suppressor p53 for organ fibrosis therapy. Cell Death Dis 15, 336 (2024).
<URL>
https://www.nature.com/articles/s41419-024-06702-w
記事引用元>Facebook:一般社団法人NMN機能性食品開発協会