β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の添加が、雄羊の精子の品質に与える影響を調査した研究が公開されました。NMNは、生物の細胞内でビタミンB3等から作られる物質で、健康に関連するさまざまな効果が研究されています。特に精子に与える影響についても注目されており、これまでも複数の研究が出ています。
研究では具体的には、精子を4℃で保存する際に、異なる濃度のNMN(0 μM、30 μM、60 μM、90 μM、および120 μM)を含むTris-クエン酸-グルコース(TCG)溶液(実験や研究において、生化学反応を安定させ、pHを一定に保つために使用される緩衝液)を使用しました。
研究結果によれば、NMN処理の精子の運動性、アクロソーム(精子の核の周囲を帽子状に取り囲む細胞小器官)の完全性、および細胞膜の完全性は、対照群よりも有意に高かったことが示されています(p < 0.05)。特に、60 μMのNMNの追加は、精子のミトコンドリア活性を改善し、脂質過酸化、マロンジアルデヒド(MDA)含量、および活性酸素種(ROS)の含量を対照群と比較して有意に低減させました(p < 0.05)。興味深いことに、60 μM NMN処理の精子のグルタチオン(GSH)含量とスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性は、対照群よりもはるかに高くなりました。NMN処理はまた、4℃で保存した後の48時間の時間点で、精子のCleaved-Caspase 3、Cleaved-Caspase 9、およびBaxのレベルを低下させ、Bcl-2のレベルを増加させました。これらは、細胞の生死のバランスを調整して、健康な細胞をより維持していることを示す指標となります。
結論として本研究では、NMNを精液伸展剤に60 μM添加することで、雄羊の精子の品質を4℃で維持できることが示されています。NMNは酸化ストレスとアポトーシスを軽減する効果もあります。これらの結果から、NMNは体外での4℃での雄羊の精子の生存性を向上させるのに効果的であると言えるでしょう。
表題:β-Nicotinamide mononucleotide improves chilled ram sperm quality in vitro by re-ducing oxidative stress damage
<対象> 雄羊の精子
<引用>
Zhu Z, Zhao H, Yang Q, Li Y, Wang R, Adetunji AO, Min L. β-Nicotinamide mononucleotide improves chilled ram sperm quality in vitro by re-ducing oxidative stress damage. Anim Biosci. 2024 Apr 1. doi: 10.5713/ab.23.0379. Epub ahead of print. PMID: 38575134.
<URL>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38575134/
記事引用元>Facebook:一般社団法人NMN機能性食品開発協会