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新型コロナウイルス感染症がもたらす睡眠障害のメカニズムとNMNによる改善法に関して考察したレポートが公開されました

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、睡眠に関する問題を引き起こすことが分かっています。特に、不眠症と呼ばれる睡眠障害が増加しています。不眠症とは、寝つきが悪い、途中で目が覚める、睡眠時間が短いなどの症状で、心身の健康や生活の質に悪影響を及ぼします。このような不眠症をCOVID-19と関連付けて、「COVID-ソムニア」や「コロナソムニア」と呼ぶことがあります。
不眠症の原因は、心理的な緊張や不安、生活リズムの乱れ、睡眠の質を調整する機能の低下などが複雑に絡んでいます。不眠症の治療には、薬物療法や行動療法などがありますが、副作用や効果の持続性などの問題があります。
最近、不眠症の新しい治療法として、ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)という物質の摂取が提案されています。NMNは、ビタミンB3から生成される物質で、さまざまな食品に含まれています。NMNが体内に摂り込まれると、「NAD」という補酵素へと変換されます。NADは、細胞内のエネルギーの産出やDNAの修復などに必要な物質です。しかし、加齢やストレスにより減少することが知られています。NADの量が減ると、サーチュインというタンパク質の働きも低下します。サーチュインは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすタンパク質で、睡眠にも関係しています。サーチュインの中でも、SIRT1という種類のタンパク質は、睡眠と覚醒のバランスを調整する神経伝達物質や睡眠物質と関係しています3。また、SIRT1は、脳内で体内時計を司るBMAL1とCLOCKという遺伝子の働きを活性化させます。体内時計は、日中と夜間のリズムに合わせて、睡眠の質や量を調節する機能です。さらに、SIRT1は、睡眠の必要度を高める機能である睡眠恒常性にも寄与すると考えられています。
COVID-19の感染により、SIRT1の働きが阻害されることが分かっています。これは、COVID-19が炎症を引き起こし、細胞内のNADの量を減らすことが原因です。NADの量が減ると、SIRT1の活性も低下します。NADは、COVID-19の感染に対する抵抗力にも関係しています。COVID-19の重症患者では、NADの量が健康な人よりも低いことが報告されています。これらのことから、COVID-ソムニアは、COVID-19の感染によるNADの減少が、SIRT1の働きを低下させ、体内時計や睡眠恒常性に悪影響を及ぼすことが原因である可能性があります。SIRT1が睡眠の調節に重要な役割を果たすとすれば、SIRT1の働きを回復させることが、COVID-ソムニアの治療に有効であると考えられます。そのためには、SIRT1とNADの関係を明らかにする基礎研究や、SIRT1の活性を高める安全で効果的な治療法の開発が必要です。

 

表題:Covidsomnia: is the sirtuin1-NAD?+?axis the clue of the matter?

<引用>
Mormile, R., Mormile, C. Covidsomnia: is the sirtuin1-NAD?+?axis the clue of the matter?. Sleep Biol. Rhythms (2024).
https://doi.org/10.1007/s41105-024-00518-z
<URL>
https://link.springer.com/article/10.1007/s41105-024-00518-z

 

記事引用元>Facebook:一般社団法人NMN機能性食品開発協会

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